TOP > 2015@大阪 性労働の「現在」と「過去」をつなぐ


 <セックスワーク・サミット2015@大阪> 

 
テーマ:性労働の「現在」と「過去」をつなぐ 〜『風俗嬢たちのリアル』と『遊廓のストライキ』〜





●開催日時 
2015年10月18日(日) 13時30分〜17時00分

●会場・・・大阪研修センター 会議室B

 〒534-0024 大阪市淀川区十三本町1-12-15 ドルチェヴィータファースト 3階 ⇒ 会場までの地図はこちら

●ゲスト・・・吉岡優一郎さん(ノンフィクション作家)、山家悠平さん(『遊廓のストライキ』著者)

●司会・主宰・・・赤谷まりえ(編集ライター)、坂爪真吾(一般社団法人ホワイトハンズ代表理事)



 今回のサミットの開催趣旨


 
現在の性労働(性風俗産業)のリアルと、過去の性労働(遊郭)のリアルを比較しながら、

 これまで変わった点、今も変わっていない点、そしてこれから変えていくべき点を考える。



 
近年、性風俗関連の書籍の出版ラッシュが続いており、メディア上にて「女性の貧困」や「最後のセーフティネット」といった
 文脈に関係づけられて、性風俗の問題が取り上げられる機会も増えてきている。

 ただ、こうした状況の中で、性労働の世界で働く男女が、メディアや非当事者から実際の現実とは異なるレッテルを貼られて、
 泡のようなニュースの記事ネタとして消費されたり、政治的に利用されたりするケースも出てきている。

 一方、遊廓の時代から変わらずに連綿と続いている構造問題があるにも関わらず、性風俗をめぐる議論の場では、
 目先のセンセーショナルな現象や特定の思想的立場に囚われてしまい、歴史的な背景を踏まえた骨太な議論が行われることが少ない傾向にある。

 つまり、性労働の問題を考え、問題解決のための処方箋を出していくためには、
 現在の性労働が置かれている「リアル」と、過去の性労働の「リアル」を同時に理解する必要がある。

 そこで、今回の大阪サミットでは、性労働の「現在」と「過去」をつなぐ、というテーマを基に、
 それぞれ話題作の著者の方をお招きして、二部構成でお送りしたい。

 第一部は、「『風俗嬢たちのリアル』のリアル」と題して、ノンフィクション作家の吉岡優一郎さんをお招きする。

 吉岡さんは、『風俗嬢のホンネ』『風俗嬢たちのリアル』など、主にコンビニやキオスクで売られている風俗嬢のインタビュー集を複数出版されている。
 普段性風俗の世界に接点や関心の無い一般人の目に最も触れやすい場所、最も手に取りやすい媒体を通して、
 この世界のリアルを紹介されている稀有な書き手としてのお立場から、執筆や取材の裏話なども交えて、性労働の「現在」のリアルを語って頂く。

 第二部では、今年三月に出版され話題を呼んだ『遊廓のストライキ 女性たちの二十世紀・序説』(共和国)の著者・山家悠平さんをお招きする。

 同著は、公娼制度=遊廓そのもの歴史研究や、遊廓で働く女性を救済しようとする廃娼運動についての研究ではなく、
 実際にそこで働き暮らしていた当事者=遊廓の中の女性たち自身の行動に焦点を当て、無名の彼女たちのリアルに肉薄した、貴重な研究成果である。
 日本近代女性史研究者としてのお立場から、研究に至った背景や苦労話なども交えて、性労働の「過去」のリアルを語って頂く。

 お二人のゲストの講演とディスカッションを通して、性労働の現場、及びそこで働く当事者たちの現在と過去を比較しながら、
 これまで変わった点、未だに変わらない点、そしてこれから変えていくべき点を、丁寧に確認していきたい。



 お招きしたゲストの紹介

◆吉岡優一郎(よしおか・ゆういちろう)
さん

 

 1964年生まれ。東大阪市出身、岡山県井原市在住。広告代理店『全国風俗リンクセンター』を運営。
 ネットラジオ局『レディオ与一』『淫らなラジオ 淫らじ』の2局で局長を務め、それぞれ『ソサエティサイエンスジャーナル』
 『フーゾクリンクラジオ』のパーソナリティを務める。ライターとしては雑誌『俺の旅』(ミリオン出版)、
 よるジョブ(アーツェット社)、新聞『アットイストプレス』(アットイスト社)に記事を執筆。

 著書に、『風俗嬢のホンネ』『もっと風俗嬢のホンネ』『風俗嬢たちのリアル』
 『ベテラン風俗ライターが明かすフーゾク業界のぶっちゃけ話』(いずれも彩図社)がある。
 ビジネスマン、中高年の男性のみならず、一般社会の女性読者からも支持を受けている。

 Twitter: @ipusyron


       


<吉岡さんにお話頂いた論点>

●【自己紹介】性風俗の世界に携わるようになった経緯、これまでのご著作・ラジオ活動の紹介

●【風俗嬢たちのホンネとリアル】
・250人以上の風俗嬢を取材して見えてきたこと、感じたこと
・インタビューの際に気を付けていること、取材時の苦労話、反省点など
・一般向けの風俗書籍を書く際に注意している点(タイトル、構成、文体、出版のマーケティング戦略など)

●【風俗業界のホンネとリアル】
・風俗嬢の収入、風俗嬢同士の争い、稼げる女性と稼げない女性の違い、納税、引退の時期・・・etc
・男性客・男性従業員のリアル(本番・素人信仰、紳士と変態、男性従業員や店長の仕事内容)
・風俗店の舞台裏(プロフィールの信憑性、講習事情、デリヘルの事務所、警察との攻防、体験記・体験動画の裏話)

●【地方都市の性風俗のリアル】
・岡山〜広島の性風俗の現状(デフレ化、本番問題、反社会的勢力との関係など)
・地方の性風俗と首都圏の性風俗の違い(本番率、価格帯、求人方法や広告の反響の差など)

●【これからの性風俗のリアル】
・性風俗と風俗嬢を取り巻く状況は、これからどのように変わっていくと思うか
・今後の執筆テーマ、新刊の案内・・・etc



◆山家悠平(やんべ・ゆうへい)さん

 

 1976年兵庫県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。現在は大手前大学学習支援センターに勤務。専攻は日本近代女性史。

 著書『遊廓のストライキ: 女性たちの二十世紀・序説』(共和国、二○一五)
 共著書に『労働のジェンダー化』(平凡社、二〇〇五)、翻訳に、レベッカ・ジェニソン「呉夏枝と琴仙姫の作品における『ポストメモリー』」
 (『残照の音――「アジア・政治・アート」の未来へ』所収、岩波書店、二〇〇九)がある。

   <参考関連文献>   


<山家さんにお話頂いた論点>

●【自己紹介】『遊郭のストライキ』を執筆するまでの背景・動機
・先行研究に対する批判、問題意識
・当事者による史料の不在に、どう対応したのか

●『遊郭のストライキ』内容解説

1.当時の芸妓・娼妓を取り巻く環境
  ⇒遊郭から貸座敷への移行とその目的、働く女性の前身・労働環境・法的扱いなど

2.廃娼運動の誕生と展開
  ⇒誰が運動の主体だったのか、自由意思という建前の逆手利用・断罪の論理化、「解放」と「救済」という視点の問題点

3.女性たちが集団逃走やストライキを起こした理由と、その社会的背景
  ⇒教育の普及、情報の流入、世論の高揚、政府の方針、経営者団体の抵抗、遊郭の「健全な」労働化、
   新しい享楽産業(カフェー)の影響、自由廃業VS待遇改善要求、働く女性が求めたもの

4.遊郭を離れてからの問題
  ⇒廃業理由、年季明け・廃業後の社会的支援、遊郭に入る前の仕事と廃業後の仕事の関係、
   「解放」と「労働」の境界にあるもの、消えない差別と救済思想

・本研究の限界と課題
  ⇒芸妓・娼妓の活動史ではなく、彼女たちについての表象や言説の歴史にすぎない?

●【現在との比較】
 過去の遊郭と現在の性風俗、芸娼妓と風俗嬢との共通点、相違点
 今後の研究方針・・・etc 



 当日の開催風景

 13時00分 開場

  

 13時30分 開始〜挨拶
 一般社団法人ホワイトハンズ代表理事・坂爪真吾(約5分間)
 ゲストの自己紹介(各2分程度)

◆第1部:『風俗嬢たちのリアル』のリアル(80分:13時40分〜15時00分)

 ・吉岡優一郎さんの講演(30分)

  

 ・司会・主宰とのディスカッション(20分)

   

 ・会場との質疑応答(20分)

 〜20分休憩&サイン会(〜15時20分)

◆第2部:『遊廓のストライキ』(80分:15時20分〜16時40分)

 ・山家悠平さんの講演(30分)

  

 ・司会・主宰とのディスカッション(20分)

  

 ・会場との質疑応答(20分)

 終了(16時30分)

  ゲストのお二人+司会&主宰で記念撮影。

 懇親会(17時30分〜)

  懇親会、20名もの方がご参加くださり、二次会まで盛り上がりました!


 参加者の感想






















今回の裏テーマは、「アカデミズムとジャーナリズムをつなぐ」でした。

アカデミズムの世界の文脈とルールで書かれた『遊廓のストライキ』、そしてジャーナリズムの世界の文脈とルールで書かれた

『風俗嬢たちのリアル』、両者を同じ場で読み合わせることで、異なる点、同じ点がよりはっきりと見えてきたと思います。

今回のサミットの場が、アカデミズムとジャーナリズムをうまくつなぐ場になれば、幸いです。

ご参加くださった皆様、ゲストの山家さんと吉岡さん、そして司会とスタッフの皆様、ありがとうございました!


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